2022年11月
わたしたちの「見る・聞く」体験は、おおきくかわろうとしています。
20世紀は映像が進歩した時代でした。遠く離れた世界のニュースに一喜一憂するわたしたちは、同時にUFOやネッシーといった「あるかどうかわからない情報」にも魅了されてしまいます。それは、わたしたちヒトだけが持つたくましい想像力のおかげです。
見るってなんでしょう。聞くってなんでしょう。皆さんは自分に見えること聞こえることが世界の全てだと思っているのではないでしょうか。しかし電磁波や赤外線のようにわたしたちが感じることが出来ない様々な情報が、実は満ち溢れています。
わたしたちの現実とはなんだろうか、いま一度かんがえてみませんか。
アーティスト:藤井直敬(社会神経科学者)
ゲストアーティスト:土佐信道(明和電機)
プログラムディレクター:タグチヒトシ
宜野座村文化のまちづくり事業実行委員会
東北大学医学部卒、眼科医、東北大学医学部大学院にて博士課程終了、医学博士。98年よりMIT Ann Graybiel labでポスドク。2004年に帰国し、理化学研究所脳科学総合研究センターで副チームリーダーを経て、2008年より適応知性研究チームのチームリーダー。社会的脳機能の研究を行う。2014年に株式会社ハコスコを創業。著書に、「予想脳」(岩波出版)「つながる脳」(NTT出版 毎日出版文化賞受賞)「ソーシャルブレインズ入門」(講談社)「拡張する脳」(新潮社)など。
hacosco.com
13:00 観る
ワークショップ
15:00 聞く
藤井直敬さんトークショー
15:45 話す
明和電機のスパーク一発ラジオ Vol.2
文:熊山准
「真実(現実)はひとつ」。人類にとって共通認識だとされてきた、この事実がいま揺らいでいます。交通網やインターネットが発達していなかった中世ならともかく、街中に監視カメラが設置され、誰もがカメラの付いたスマホを持ち歩き、道行くクルマにはドライブレコーダーが付いた現代でなお、ひとつの事象についてまったく異なる解釈が対立、乱立するケースが少なくありません。
「人は見たいものしか見ない」とは、古代ローマ帝国の将軍ユリウス・カエサルの言葉だそうですが、古代ローマ時代からテクノロジーが大いに発達しても、その情報を処理するヒト側のアップデートはここ2000年以上あまり進んでいないようです。
がらまんデジタルクリエイティブミーティング第2回は、そんな「現実とは何か?」をライフワークに、脳内からヴァーチャルリアリティの世界まで、幅広い分野に思索を巡らせている脳科学者・藤井直敬氏をメインスピーカーにお迎え。さらには第1回のゲスト明和電機・土佐信道社長もお招きし、講演あり、体験あり、エンタメありのバラエティ豊かな構成でお届けしました。
第1回と同じく「観る」「聞く」「話す」の3部構成。第1部「観る(見る)」では、オーディエンス全員を壇上にあげ、各人のスマホを使ったワークショップを開催しました。藤井さんが発明した「ハコスコ」という段ボール型VRヴューワーをみんなで組み立て、360度カメラの映像を体験します。
くわえてスマホカメラを使い立体CGを作り出す、フォトグラメトリーを体験。参加者に混じっていた明和電機・土佐信道社長をスキャンしてCGモデルを作り出すという場面も。みなさん、普段自分が使っているスマホが360度ヴューワーやスキャナに変わると知って驚きの様子でした。
続く第2部「聞く」では、脳科学者・藤井直敬氏のライフワーク「現実とは?」をテーマに、ご自身の経歴と活動をからめつつ、「いま目で見て、耳で聞いているこの現実は、本当に現実なのか?」オーディエンスの現実感に揺さぶりをかけるスピーチを展開くださいました。
イベントを締めくくる第3部「話す」では、第1回で大好評だった「明和電機のスパーク一発ラジオ」が復活。公開収録風のラジオ番組スタイルはそのままに、今回は「現実とは何か?」をテーマに、再び参加者や全国のリスナーに向けて投稿を募りました。
そのお題は「あなたのいちばん古い記憶はいつ?」「ニュース速報!未確認生命体ハッケン」「テレパッションで念力大作戦」といった昭和のテレビ番組を彷彿とさせるもの。今回の採用者にも宜野座産海ぶどうが当たるとあって、全国各地からの応募や出演をいただきました(奇跡的な大団円含めたその模様はYouTubeアーカイブで聴取可能)。
ふたたび4時間にもおよぶ長丁場となった、がらまんデジタルクリエイティブミーティング。連投いただいた明和電機・土佐信道社長は言わずもがな、ふだん物静かな藤井直敬氏も「ぜひ次回も呼んでください」とボソリつぶやくほど宜野座ファンになってしまったご様子。すわ、このままゲストが増え続けていってしまうのか。果たして第3回はどう変化を遂げてゆくのか。手さぐり状態のイベント黎明期ならではのダイナミックなライブ感もまた楽しいものだと感じたのでした。
もう一つはスマホカメラで立体CGを作り出す、フォトグラメトリーを体験。オーディエンスにまじっていた明和電機・土佐信道社長をスキャンしてCGモデルを作り出しました
— がらまんデジタルクリエティブミーティング@沖縄宜野座がらまんホール (@garaman_dcm) November 3, 2022
できたら静止したものをスキャンした方がいいんですけどね… #widar pic.twitter.com/HWVFIigxi1
第3部「話す」は、第1回でも好評を博した「明和電機のスパーク一発ラジオ」が復活! 今回も全国のみなさまから抱腹絶倒の投稿が寄せられました?
— がらまんデジタルクリエティブミーティング@沖縄宜野座がらまんホール (@garaman_dcm) November 3, 2022
そして #がらまんデジクリミ 2は奇跡的なテレパッション実験結果を迎えて無事終了。来春予定の第3回もお楽しみに! pic.twitter.com/A7J7yMq0Ud
#がらまんデジクリミ